初めての台湾出張の時、
会社が高額の保険を掛けてくれた。
かみさんに、僕が無事帰って来るのと、
保険金が入るのとどちらが良いか聞いた。
かみさんは、保険の資料を食い入る様に、
見て返事すらしなかった。
会社が、有る程度軌道に乗って来たので、
7,000万円の生命保険に加入した。
深夜、首都高速の急カーブに、
ノーブレーキで進入した。
助手席で絶叫する、かみさんに、
7,000万、7,000万と言ったら、
私が受け取れなかったら、
意味無いでしょうと反論された。
ある年齢になり、
死亡時受取額が500万円まで減額された。
会社を畳む事に絡み、保険を解約した。
僕の命の値段は、遂に0円となった。