自分の頭が混線し、
あらぬ事を口走る日が、
来るのが怖い。
色んな管を繋がれて、
無理やり生かされる日が、
来るのが怖い。
年金で、
背負えるだけの米を買い、
放置されたボートに乗って、
隣国に向かおうと思った。
隣国に着いたら、
物陰に米を隠し、
日の丸を振りながら、
首都を目指す。
国に忠誠を誓った兵士が、
僕を狙撃してくれるだろう。
兵士は英雄として称えられ、
隠した米を見つけた家族は、
飢えをしのげる。
高額の医療費を、
国や家族に背負わせる事も、
家族が、
保護責任を問われる事もない。
完璧な幕引きだと思ったが、
僕には、
隣国に向かう行動力がない。