昨日11年間僕を支えてくれたピ~(謎鳥)が旅立った。
ピ~は巣立ちに失敗し、道路わきでうずくまってい
た雀の雛だった。
育てられるか心配だったが、手のひらに包み家に連
れ帰った。
東京都の条例だけでなく、親鳥がどこかで見守って
いるだろう事は知っていたが、放置する事が出来な
かった。
最後は僕の手のひらから飛出し、背中から床に落ち
旅立った。
狼狽(ろうばい)する僕を、かみさんと息子は最後に
飛んでいる姿を見せようとしたんだと慰めてくれた。
泣き止まない、かみさんを置いて家を出た。
マンションの外階段を降りると、数台のバイクと数
人の青年達が居た。
リーダー格の青年とは、睨み合いからスタートした
が、2回目に路地で会った時に友達になった。
見掛けからは想像出来ない位、素直な青年達だった。
僕が大型自動二輪の免許証を見せ、彼等との上下関
係を決めたが、僕が上でいいと認めてくれた。
昨日は彼等全員と話ができた。
耳が悪い僕が何度も聞き返す事に、時々イラ立った
様子も見せたが、最後は1人とハイタッチして別れた。
73歳にして、18歳前後の友達が数人できた。
何時もは、煙草の吸殻を撒き散らして帰る彼等だっ
たが、一人はカバンを開いて見せ、煙草を持ってい
ない事までアピールして来た。
ピ~が自分の代わりに残してくれた友達だと思う。
マンション住人達からは嫌われ者の彼等だが、僕が
何かの役に立てればと思っている。
高校を卒業した後、地元の道路わきで集結していた
友と、彼のバイク仲間に遭遇した。
その中の一人が俳優の白竜さんだった事を、後で友
から聞いた。
たがいに、こっち来んなオーラを出していたので、
たぶん挨拶を交わした程度だったと思う。
ドラマで白竜さんを見ると、当時の恥ずかしい思い
出ばかりが出て来て、背中がゾワゾワして来る。
先の彼等が、これからどんな人生を歩むのか、少し
だけ見ていたい気持ちに駆られる。
#白竜さん 10月3日 天秤座 風