敬老の日に、
講堂に招かれた老人の方々を前にして、
僕の作文を朗読する様に言われた。
休日なのに、作文を読むためだけに学校に
行った。
周りには内緒にする様に言われていたので、
一人でトボトボ学校に向かった。
朗読が終わり、壇から降りたら校長室に行
く様に言われた。
何だろうと思いながら行って見ると、校長
の机に座った教頭が、鉛筆を1箱くれた。
数日後、担任に校長室に行く様に言われた。
担任では手に負えない、何かをやらかした
らしいが、少なくともこの頃は優等生だ
ったので身に覚えはなかった。
後になって、賞賛された僕に対する叔母の
虐めだった事を知った。
校長室に入ると、やはり教頭が座っていて、
お前は...と絶句した。
幼稚園では園長室に呼ばれたし、長と名が
付く人達は僕が好きらしい。
作文には何を書いたか覚えていないが、
暫くの間、婆ちゃんは老人仲間達から、
ヒロイン扱いされて嬉しそうだった。