中国の戦記ドラマで、
城壁をよじ登り、
落ちて来る岩を頭に受け、
死に行く兵士を見ると辛くなる。
兵士の今までの喜びや悲しみが、
一瞬で消え去る事に、
死以上の恐怖を抱いてしまう。
上京して出会った友は、
自力で運ぼうとした、
小型プレスが頭に落ち、
風の様に旅立ってしまった。
日本では、
小さなニュースにすらならなかった。
彼の喜びや悲しみは、
今も異国の地を、
彷徨っているのだろうか?
娘さんが棺に添えた耳栓を見て、
少しだけ救われた。
「僕が自分の事を何も話さないのは
淋しい」と言ってくれた友に、
この史の全てを捧ぐ。