子供の頃、
石投げ合戦と云う、
恐ろしい遊びが流行った。
臆病者の僕は、
一番後ろの上級生の陰に隠れていた。
流れ弾は卑怯者に当るの通り、
同い年の男児が投げた石が、
僕の頭を直撃した。
血を流しながら家に帰ると、
婆ちゃんは僕の名前を連呼しながら、
石垣からドクダミの葉を摘んできた。
葉っぱを何枚かもみほぐし傷口を塞いだ。
包帯などなかったので、
日本手ぬぐいで縛られた。
男児と母親が謝罪に来たが、
婆ちゃんは、相変わらず大きな声で、
僕の名前を連呼するだけだった。
旋毛(つむじ)の傍にハゲが出来た。
僕に石を当てた男児は成長し、
町役場の要職についたらしい。
ふるさと納税はしない...。