西村博之さんの漢気(おとこぎ)は、
醜悪な者に対して容赦ない。
僕は後ろから切りますと、
嘯く(うそぶく)が、
急所を僅かに外し、
一突きするだけである。
正面からでは、
切られた事さえ気付かない、
醜悪で鈍感な相手に対する、
武士の情けの様なものだと思う。
相手が見苦しい姿を晒したら、
それ以上は追い詰めない優しさも、
兼ね備えている。
西村さんは、
ヒゲオヤジさんの事を、
「死んだ魚の目をした性格の悪い
デブのオッサン」と呼ぶ。
まるで
「ラインハルト・フォン・ローエ
ングラム」と敬愛を込め、
フルネームで、
呼んでいる様に聞こえる。
一旦事あれば身を挺して、
彼を守るのではないだろうか。